通勤中の熱中症を防ぐ朝ルーティン4ステップ

Adult businessman in formal gray suit drinking water inside a black car during the day. 健康
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去年の7月、最寄り駅から会社まで徒歩10分の道のりで、急に頭がズキズキしてきたことがある。「あ、これまずいやつだ」と直感して、コンビニに飛び込んでスポーツドリンクを一気飲みした。汗だくで棚にもたれながら思ったのは「俺、何も準備してなかったな」ってこと。

うちでもやってみたんだけど、前日の夜に少し仕込むだけで、翌朝の通勤が全然ちがう。子供が生まれてから朝の時間はさらにカツカツになったけど、それでも続けられてる。今回は「飲む・塗る・着る・冷やす」という4つの柱を、朝の支度にそのまま差し込める形でまとめてみた。

熱中症の怖さは「なってから気づく」ところにある

熱中症って、風邪みたいに「今日なんか調子悪いな」という前兆がわかりにくい。気づいたときには頭痛・めまい・吐き気が一度に来ていて、駅のホームで座り込む羽目になる。

熱中症の発生は屋外だけでなく移動中も多く、特に朝8〜9時台の通勤時間帯は気温がまだ上がりきっていないように見えて、湿度が高く体感的には昼間より危険なことがある。

電車・自転車通勤は特にリスクが高い

電車通勤だと、乗り換えのたびに屋外→冷房→屋外を繰り返す。この急激な温度変化が体の体温調節機能に負荷をかける。自転車通勤はさらに発汗量が多く、500ml以上の水分が失われるケースも珍しくない。

問題は、汗をかきながらも「まだ大丈夫」と感じてしまう点だ。体が水分不足に慣れてしまっていると、のどの渇きを感じにくくなる。口が渇いたと思った時点で、すでに体重の1〜2%の水分が失われている状態だ。

給食センターで覚えた「段取り8割」の考え方

調理師をやっていたとき、毎日600人分の食事を作っていた。この仕事で一番大切なのは「当日の動きを増やさない」こと。前日の仕込みと準備で、当日の9割が決まる。

熱中症対策も同じだと思っている。当日の朝、焦りながら水を飲んでも間に合わない。前夜に麦茶を作り置きして冷蔵庫に入れておく人と、出発直前にペットボトルを探す人では、当日の体の状態がまったくちがう。準備は「予防」の話であって、「対処」の話じゃない。

「飲む」: 前夜2分の仕込みが、翌朝の体を守る

水分補給は、朝起きてから始めるんじゃ遅い。寝ている間に約500mlの水分が失われるため、起床直後はすでに軽い脱水状態にある。

朝イチで飲むべき量とタイミング

起き抜けにコップ1杯(200〜250ml)の水か麦茶を飲む。冷えすぎていると胃に負担がかかるので、冷蔵庫から出して10〜15分ほど置いた「常温寄りの冷たさ」がちょうどいい。出発前にもう1杯(150〜200ml)飲んでから家を出ると、最初の30分間の体内水分量がキープしやすい。

外出時は500mlのボトルを必ず持参する。うちでは前夜に麦茶を作って500mlボトルに入れて冷蔵庫へ。朝は取り出してバッグに入れるだけ。これだけで「水分を買うのを忘れた」という事態がなくなった。

ポイント:日常的な水分補給には、塩分・糖分が少ない麦茶や水で十分。スポーツドリンクは長時間の屋外作業や激しい運動後に有効だが、30分の通勤であれば麦茶で問題ない。

「塗る」: 日焼け止めと冷却スプレーはペアで使う

日焼けは体温上昇に直結する。肌が赤くなるほど日焼けをすると、体は炎症に対処するためにさらに体温が上がりやすくなる。だから日焼け止めは「美容のため」じゃなく「体温管理のため」でもある。

SPF30以上のものを首・腕・デコルテにさっと塗る。塗る時間は慣れれば1分以内。ポンプ式のものは出し忘れがなくてラク。スティックタイプを会社のデスクに置いておいて、昼の塗り直しに使うのもおすすめ。

もうひとつ、冷却スプレーをバッグに1本入れておくだけで安心感がちがう。通勤中に体がほてってきたと感じたら、首や手首に一吹きするだけで体感温度が下がる。1本200〜300円で買えるので、ケチらず使える。

「着る」: 素材と色の選択で、体感温度は変わる

夏の通勤スタイルで「何を着るか」は体温管理に直結する。ポリエステルやナイロン素材は速乾性が高い反面、熱がこもりやすい。麻(リネン)や吸水速乾機能のあるコットン混紡生地のほうが蒸れにくく、体温上昇を抑えられる。

色も重要で、白・アイボリー・薄いグレーといった淡い色は太陽光の反射率が高く、黒や濃紺と比べると表面温度で差が出やすい。「でも仕事着だから地味な色しか着られない」という人は、アウターやカーディガンをライトカラーにするだけでもちがう。

通勤バッグに1枚入れておくべきアイテム

薄手のUVカットパーカーかアームカバーを1枚持ち歩くのが最強の時短グッズだと思っている。電車の冷房で冷えすぎたときは羽織れて、屋外ではUVカット兼体温保護になる。200gを切るような軽量モデルなら、バッグの中に入れても重さをほとんど感じない。1,500〜3,000円程度のもので十分機能する。

「冷やす」: 首・手首・足首の「3首冷却」が最速で効く

熱中症対策で「冷やす」というと、額や脇の下を思い浮かべる人が多い。脇の下は確かに効果的だが、通勤中に脇を冷やすのはちょっとしにくい。

そこで活用したいのが「3首冷却」だ。首・手首・足首には太い血管が皮膚に近い場所を通っていて、ここを冷やすと血液温度が下がりやすくなる。外から直接体表面に触れられるという意味でも、通勤中に実践しやすい。

首には保冷剤入りのネッククーラーか冷感タオルを。手首はコンビニで買ったペットボトルを当てるだけでも効果がある。足首はオフィスについたときに濡れたタオルを当てると回復が早い。

うちで買って正解だったのが、水で濡らして振るだけで冷たくなる「冷感タオル」。洗って繰り返し使えるし、500円前後で手に入る。子供の保育園の送迎にも使っているので、家族で使い倒している。

朝8分で完成する、4ステップ通勤前ルーティン

ここまで紹介してきた4つを、実際の朝の支度に組み込んだスケジュールがこれ。子供を送り出しながらでも、なんとか回せている。

前夜(2分)
麦茶を500mlボトルに入れて冷蔵庫へ。翌日の服(吸湿素材・明るい色)を出しておく。

起床直後(1分)
冷蔵庫から出して10分置いた麦茶をコップ1杯(200ml)飲む。

着替え後(3分)
日焼け止めを首・腕・デコルテに塗る。冷感タオルとUVカットパーカーをバッグに入れる。冷却スプレーがあればついでに追加。

出発前(2分)
もう1杯の麦茶(150ml)を飲む。冷感タオルを首に巻いて出発。

合計8分。習慣化すれば5分で終わる。「面倒だな」と思うか「8分で熱中症リスクが下がるなら安い」と思うかは、去年の夏に体調を崩したことがあるかどうかで変わってくると思う。僕は完全に後者になった。

まとめ

  • 熱中症対策の肝は「前日の仕込み」。当日対処では遅い
  • 【飲む】前夜に500mlの麦茶を準備。起床直後と出発前に合わせて350〜450ml飲む
  • 【塗る】SPF30以上の日焼け止めで日焼けによる体温上昇を抑える。冷却スプレーもバッグに1本
  • 【着る】麻やコットン混紡の吸湿素材+淡い色で体感温度を下げる。UVカットパーカーをバッグに常備
  • 【冷やす】首・手首・足首の3首を冷やすと全身の体温低下に効果的
  • 4ステップを朝ルーティンに組み込むと、慣れれば5〜8分で完了する

余裕があれば、出発前に塩飴を1粒なめておくのもいい。発汗で失われるナトリウムを手軽に補えて、水分の吸収効率も上がる。給食センター時代に夏場の現場で先輩から教えてもらった、ちょっとした裏技だ。

暑い日の通勤、ちょっとした準備だけで全然ちがう。今日の帰りに麦茶の材料だけ買って帰るところから始めてみてほしい。

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