引き継ぎ資料、まだゼロから書いてますか?
それ、まだ手作業でやってるんですか?——と言いたくなるのをこらえつつ、3月末になると決まって「どこから手をつければ…」という声が聞こえてきます。
こんにちは、ミズキです。元ITカスタマーサポートで、今は時短ライフを布教中。前職では年度末のたびに引き継ぎ地獄を経験してきたので、「どうにか楽にならないか」と試行錯誤してきました。たどり着いた結論は「テンプレ」と「録画」の二刀流です。
この記事を読めば、引き継ぎ資料の作成時間を従来の半分以下に縮められます。しかも後任が迷わない、本当に使える資料になる。一石二鳥どころか三鳥くらいある話なので、ぜひ最後まで読んでください。
引き継ぎ資料で時間がかかる「本当の理由」
多くの人が「書くのが遅いから時間がかかる」と思っているんですが、実はそうじゃないんですよ。時間を食うのは主にこの3つです。
① 何を書けばいいか迷う
いざ資料を作ろうとしても「どこまで書けばいいんだろう」「これって書く必要ある?」と迷子になる。これだけで30分以上余裕で溶けます。
② 毎回フォーマットをゼロから作る
Wordを開いて、見出しを作って、表を作って…前の資料がどこかにあるはずだけど見つからなくて結局また一から。ありますよね、これ。
③「伝わるか不安」でついつい書きすぎる
後任が困らないように、と思うあまり書きすぎて、結果的に読まれない大作を完成させてしまう。
この3つを解消するのが、テンプレ化と録画活用です。順番に説明しますね。
5項目の穴埋めで終わる「引き継ぎテンプレ」の作り方
引き継ぎ資料に書くべきことは実は決まっています。業務の種類がなんであれ、後任が知りたいことは次の5つに集約されます。
① 業務名と目的(この仕事は何のためにあるのか)
② 発生タイミング・頻度(いつやるのか、どれくらいの頻度か)
③ 手順(具体的な操作や作業ステップ)
④ 関係者・連絡先(誰と関わるのか、困ったら誰に聞くか)
⑤ ハマりポイントと対処法(過去のミスや注意事項)
この5項目をそのままテンプレートにしてしまいます。NotionでもGoogleドキュメントでもExcelでもなんでもいいです。大事なのは「穴埋めするだけで完成する状態」にしておくこと。
私が実際に使っていたテンプレは、業務1件あたりA4で1枚分。⑤のハマりポイントは特に念入りに書いておくと「あなたがいなくなった後に困った」という連絡がぐっと減ります。元カスサポなので、FAQの作り方には自信があります(笑)。
作業時間の目安
テンプレ自体を作るのは、慣れれば10分かかりません。一度作ってしまえば業務の数だけ複製して穴埋めするだけ。仮に10個の業務を引き継ぐ場合、1件あたり20〜30分見ておけば全件分が揃います。合計5時間以内で完成するイメージです。
「それだけでいいの?」と思うかもしれないですが、後任が動けるレベルの情報量としてはそれで十分なことがほとんど。ズボラに徹しましょう。
「録画」が最強の引き継ぎツールである理由
テンプレで文字情報はカバーできました。でも正直、システム操作の手順とか、複雑なExcelマクロの使い方とか、文字で書くと逆にわかりにくいことってありますよね。
そこで登場するのが画面録画です。実際の画面を操作しながら声で説明を加えるだけで、文字で書くと10分かかる手順説明が2〜3分の動画になります。しかも見る側からすると、文章を読むより圧倒的に理解しやすい。
おすすめの録画ツール
Loom(ルーム)
ブラウザ拡張機能で動作するので、ダウンロード不要で即使えます。録画した動画はリンクで共有できるので、資料にURLを貼り付けるだけ。無料プランの制限内容は変更されることがあるので、利用前に公式サイトで最新情報を確認してください。
Windowsのゲームバー(Win+G)
Windowsには標準で画面録画機能があります。Win+Gでゲームバーを開いて録画ボタンを押すだけ。ツールを何もインストールしたくない人にはこれが最速です。
Macのスクリーンショット機能(Shift+Command+5)
Macも標準機能で画面録画ができ、音声も一緒に録れます。操作しながら喋るだけで完成です。
私がカスサポ時代にやっていたのは、マニュアル更新のたびに操作動画を撮って社内wikiに貼り付ける方法です。「文字のマニュアルを読んでも分からない」という問い合わせが激減して、チームの負荷が月30件ぶん減った実績があります。
属人化の温床「暗黙知」を10分で言語化する方法
引き継ぎで一番難しいのは、「自分がなんとなくやっていること」の言語化です。長年同じ業務をやっていると、頭で考えなくても体が動く状態になりますよね。でもそれ、後任には伝わらないんですよ。
暗黙知を掘り起こすのに有効なのが、次の4問への自己インタビューです。
・この業務でよくあるミスは何か?
・なぜその手順でやるのか(理由は何か)?
・例外処理はあるか(こういう場合はこうする、といったもの)?
・過去にトラブルになったことはあるか?
この4問に答えるだけで、暗黙知の大半は引き出せます。所要時間は業務1件あたり10分程度です。
引き継ぎ期間がある場合は、後任と一緒に作業して「あ、そこわからないんだ」という瞬間を全部拾う方法も効果的です。1〜2時間の同席で、文字にするのが難しいコンテキストの多くが自然と出てきます。
後任が「読まない資料」にしないための仕上げ術
丁寧に作ったのに「資料、どこ見ればいいですか?」と聞かれた経験はありますか。あれは作った側の問題じゃなくて、構成の問題なんですよ。
読まれる引き継ぎ資料の共通点は「インデックスがある」こと。業務の一覧と、各業務の資料がどこにあるかをまとめた目次ページを1枚作るだけで、後任が迷わなくなります。
形式としておすすめなのはNotionやGoogleサイトなど、リンクを貼れるデジタル形式。インデックスページに各資料へのリンクが並んでいると、どこに何があるかが一目瞭然です。
もう一つ効果的なのが、後任に資料をレビューしてもらうこと。渡して終わりではなく「この通りに作業してみて、詰まったら教えて」と一言添えるだけで、後任が自分で補完し始めます。自分が追加で1時間かけて完成度を上げるより、後任がやった方が双方にとって効率的です。
まとめ:引き継ぎは「仕組み」で乗り越える
今日お話しした内容を整理します。
・テンプレの5項目を穴埋めすれば「何を書くか」で迷わない
・画面録画で手順説明の時間を大幅に短縮できる(LoomやOS標準機能を活用)
・暗黙知は自己インタビュー4問で引き出せる(所要10分/件)
・インデックスページで「どこに何があるか」を明示する
・後任にレビューしてもらって資料を完成させる
ちなみに、引き継ぎ資料の整備は日常業務の中でちょこちょこ更新しておくのが理想です。「月に1回、15分だけ自分の業務メモを更新する時間」をカレンダーに定期予定で入れておくだけで、年度末の地獄が劇的に楽になります。
引き継ぎを制する者は、仕事の属人化を制する。今年の年度末こそ、早めに抜け出しましょう。


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